ピンニング手術後の骨融解からの回復

当院の小型犬の前足骨折の治療は、手術から3Dギプスに転換しました。

小型犬の前足骨折の治療は、ピンニング、創外固定、プレートの手術法に限らず、術後に骨吸収が起こることがあります。日に日に骨が細く、脆くなっていく状態で、骨へ負荷がかからないのが原因です。

トイプードルのノアちゃん、生後8ヶ月で左前肢を骨折

6月中旬に左前足を骨折しました。〇〇動物医療センターで1回目の骨折のピンニング手術をしています。大きなギプスで足を固定しています。

手術後の骨融解と再骨折

ピンニングとは、骨の中心に金属のピンを入れて固定する手術です。
金属のピンは、レントゲンで骨の中心に棒状に白く映ります。

手術から2週間後です。骨が細くなってきました。

手術から2ヶ月後です。2本ある骨のうちの1本は消えて無くなっています。ピンニングで手術した骨は癒合しましたが骨密度の低下が見られます。

その10日後に、同じ場所を再骨折しました。骨は脆弱で湾曲しています。最初に骨折してから2ヶ月以上が経っているのに、徐々に骨は弱々しくなっています。

再度、ピンニング手術を行なっています。

この時点で、当院にセカンドオピニオンで来院されました。

  • 2本の骨の一本は骨吸収してしまったこと。
  • 残りの一本も骨密度が低下していること。
  • 今後の治療方法(3DギプスとPRP療法)の提案。

3DギプスとPRP療法で骨を再生させます。

再生治療の開始

金属ピンの抜去

ピンは髄腔内の血流を阻害し、手首の可動域を制限するので抜去します。

PRP療法

PRPとは自己の血液から抽出した高濃度の血小板です。PRP液をピンが入っていた場所に注入します。局所のダメージを修復します。

3Dギプス

3Dギプスを装着しながら歩行させて、骨折部位に着地時の刺激が伝わるようにします。骨折部分に負荷がかかることで骨が再生します。

当院で治療開始から1週間後

骨のレントゲンを撮ると骨折の再生が始まっていました。生後10ヶ月なので再生能力が高いです。

3週間後

折れた場所は太く再生して、骨密度も高くなっています。歩行も順調になってきました。

5週間後

骨の再生が順調に行われました。ギプスを外して治療終了です。

コロナウイルス対策について

「コロナウイルス対策について」

消毒はバイオウイルを使用しています。バイオウイルは、犬コロナウイルス、インフルエンザウイルス、パルボウイルスを5秒で死滅できます。朝9時と午後4時と午後8時に待合室をバイオウイルで消毒を行っています。診察台は一頭の診察ごとにバイオウイルで消毒しています。

交通系電子マネー

交通系電子マネー(スイカ、PASMO)で支払いができるようになりました。クレジットカードも使えます。

小型犬の骨折治療

3Dギプスに関して、3回の学会発表を行いました。
1、「3Dギプスによる犬の前足骨折の治療」第21回 日本臨床獣医学フォーラム年次大会
2、「犬の橈尺骨骨折のピンニング手術後の骨吸収が3DギプスとPRP療法で回復した症例」日本獣医再生医療学会 第15回年次大会
3、「3Dギプスを用いた橈尺骨骨折の非観血的治療」日本獣医内科学アカデミー学術大会

ピンニング手術後の骨融解からの回復

当院の小型犬の前足骨折の治療は、手術から3Dギプスに転換しました。

小型犬の前足骨折の治療は、ピンニング、創外固定、プレートの手術法に限らず、術後に骨吸収が起こることがあります。日に日に骨が細く、脆くなっていく状態で、骨へ負荷がかからないのが原因です。

トイプードルのノアちゃん、生後8ヶ月で左前肢を骨折

6月中旬に左前足を骨折しました。〇〇動物医療センターで1回目の骨折のピンニング手術をしています。大きなギプスで足を固定しています。

手術後の骨融解と再骨折

ピンニングとは、骨の中心に金属のピンを入れて固定する手術です。
金属のピンは、レントゲンで骨の中心に棒状に白く映ります。

手術から2週間後です。骨が細くなってきました。

手術から2ヶ月後です。2本ある骨のうちの1本は消えて無くなっています。ピンニングで手術した骨は癒合しましたが骨密度の低下が見られます。

その10日後に、同じ場所を再骨折しました。骨は脆弱で湾曲しています。最初に骨折してから2ヶ月以上が経っているのに、徐々に骨は弱々しくなっています。

再度、ピンニング手術を行なっています。

この時点で、当院にセカンドオピニオンで来院されました。

  • 2本の骨の一本は骨吸収してしまったこと。
  • 残りの一本も骨密度が低下していること。
  • 今後の治療方法(3DギプスとPRP療法)の提案。

3DギプスとPRP療法で骨を再生させます。

再生治療の開始

金属ピンの抜去

ピンは髄腔内の血流を阻害し、手首の可動域を制限するので抜去します。

PRP療法

PRPとは自己の血液から抽出した高濃度の血小板です。PRP液をピンが入っていた場所に注入します。局所のダメージを修復します。

3Dギプス

3Dギプスを装着しながら歩行させて、骨折部位に着地時の刺激が伝わるようにします。骨折部分に負荷がかかることで骨が再生します。

当院で治療開始から1週間後

骨のレントゲンを撮ると骨折の再生が始まっていました。生後10ヶ月なので再生能力が高いです。

3週間後

折れた場所は太く再生して、骨密度も高くなっています。歩行も順調になってきました。

5週間後

骨の再生が順調に行われました。ギプスを外して治療終了です。

3Dギプスで治す小型犬の前足骨折

 

骨折の癒合不全を無くしたい。

骨折のプレート手術では、術後にトラブルが起こることがあります。数ヶ月間にわたり治療しているにもかかわらず骨折が癒合しなかったり骨が徐々に細くなることがあります。また、骨折の修復に使用した金属プレートが折れたり、細菌感染の温床になったりすることもあります。

以前は、当院でも手術による骨折治療をメインにしていましたが、手術後に起こる癒合不全や骨吸収の反省から、ギプスで骨折を癒合させる治療に転換しました。 自己修復力を使って骨折を治療すると骨は強く太く修復します。

ギプスでは骨折は治らないと言われていますが、3Dギプスによって従来のギプスの問題点を克服しました。

従来のギプス固定の問題点

従来のギプスは、添え木のように足に装着して骨折部位が動かないようにします。しかし、数ヶ月間にわたり装着すると骨が細くなっていきます。完全な骨折を治癒させることは困難とされていました。

大きなギプスをつけたままでいると、骨吸収が起こり骨は細く脆くなって再骨折のリスクが高くなります。骨折部分に部分負荷がかからない(刺激が伝わらない)のが原因と考えられます。

3Dギプスとは?

従来のギプス固定の問題点を改良した、新しいギプスを作成しました。

ギプスは横とひねり方向に安定性を持たせて、骨折部位に部分負荷がかかるように改良します。足型をもとにして立体的な3Dのギプスを作成しました。足先部分は開放して着地したときに、骨折部位に部分負荷が伝わる形にしました。骨折部位に適度な刺激が伝わることで、折れた骨が自己修復されます。

左前足についているのが3Dギプスです。従来のギプス と異なり着地して歩くことが可能です。

骨折の修復には、刺激が必要です。

3Dギプスの装着後は積極的に歩かせて、足裏から骨折部位に着地の刺激が伝わるようにします。折れた骨は刺激と休憩を繰り返すことで修復されていきます。自己の修復力を利用すると、折れた骨は太く強く再生します。

治療症例

生後7ヶ月、体重1,5kgのポメラニアンの前足骨折

 


症例(ポメラニアン、体重1,6kg、7ヶ月齢)
横骨折
a:受傷日、b:受傷19日、c:受傷26日、d:受傷41日

生後4ヶ月のトイプードルの前足骨折

約1ヶ月で骨折が治りました。

生後7ヶ月、体重1,3kgのトイプードルの前足骨折

従来のギプス固定では治らないとされていた骨折端のずれた骨でも、3Dギプスの治療で骨癒合しました。修復期には骨が太くなり、リモデリング期には自己矯正で骨がまっすぐになります。

 症例(トイプードル、体重1,3kg 、7ヶ月齢)
骨折端がずれた骨折
a:受傷6日、b:受傷20日、c:受傷38日、d:受傷56日

大型犬のボルゾイの前足骨折

大型犬のボルゾイの前足骨折も、足型ギプスで骨折が治癒しました。
変形癒合で曲がって治癒した骨は、徐々にまっすぐに修正されます。

足型ギプスで骨折を治療した犬の動画があります。

当院のユーチューブチャンネル

3Dギプスの利点

  • 無麻酔
  • 日帰り
  • 手術に比べて低コスト
  • サイトカインの温存
  • 骨折の全周囲で固定
  • 部分負荷が調整できる

3Dギプスの作成料金

  • 前足1本骨折:8万円
  • 前足2本骨折:13万円
  • 追加のギプス作成:2万2000円

猫の尿管結石

猫の腎臓疾患のうち、尿管結石の発症割合は近年増加していると報告されています。

尿管結石は、腎不全を起こします。

腎臓から膀胱につながる管を、尿管と言います。猫の尿管は細いので、1~2mmの結石で、尿管がつまります。結石が詰まると、腎盂から腎臓に圧力がかかり、水腎症や急性腎不全の症状が起こります。

若齢で腎機能の低下がある場合は、超音波検査で尿管をチェックしましょう。

尿管に閉塞していた結石。砂利のようです。

早期に摘出手術を行います。

尿管に結石が詰まった状態では、慢性腎不全に移行します。尿管結石がわかった場合は、早期に摘出手術を行っています。

結石が尿管に詰まってから、手術を行って閉塞を解除するまでの時間が長いと、救命できなかったり、慢性腎不全に移行していることがあります。尿管結石による腎不全が重度の場合は、尿管結石の手術後に、点滴や腹膜透析を行う場合があります。

尿管結石は、画像検査で診断します。

膀胱や、下部の尿道に結石ができた場合には、血尿や頻尿、排尿の減少などの症状を示すため、発見が遅れることは多くありませんが、上部の腹腔内の尿管に結石がつまっても、反対側の腎臓が機能している場合は、症状で診断を行う事は難しいです。

超音波検査が有効です。

尿管結石の大きさは1〜2mm です。体の中にある小さな結石を確認するために、画像の解像度が高い機器が必要です。

レントゲン検査

レントゲン検査では、腎臓、尿管、膀胱の位置を確認します。結石がある場所と、全体的な位置が把握できます。

尿管結石の摘出手術

Step1超音波検査で結石の位置を確認

麻酔をする直前も、尿管結石の位置を確認します。

Step2開創

膀胱や尿管をくまなく確認するため、臍上から恥骨の前方まで大きく開腹を行います。消化管や大網や腹腔内脂肪を避け、隣接する大血管に注意し、尿管と腎臓を露出します。

Step3尿管の切開と、結石の摘出

尿管と腎臓を覆う後腹膜の一部を切開して、尿管内に小さな切開を加えて結石を摘出します。

Step4縫合

特殊な極細の縫合糸で、尿管を細かく縫合して、尿漏れがないことを確認します。手術時間は1時間程度で終了します。

摘出した結石は、成分を分析します。また、尿を培養検査で細菌感染を確認します。

腎臓結石の摘出

腎臓内に結石が存在する場合には、いずれ、尿管に詰まってしまうリスクを抱えています。

術前に加え、術中にもエコー検査を行い、腎盂で小切開を加えて結石を摘出します。

膀胱結石の摘出

手術後

術後は点滴療法で入院治療を行い、縫合部位の離開や、点滴による心不全の発症がないか、元気食欲、排尿状態、腹部エコー検査、静脈点滴中の呼吸状態を細かく確認する事で、安全にご自宅に猫を返せるように努めております。

再生医療

脂肪幹細胞の点滴と、PRP療法ができます。今まで治らないとあきらめていた疾患でも症状が改善させられる可能性があります。

幹細胞療法(椎間板ヘルニアの場合)

椎間板ヘルニアでは、幹細胞療法を選択しています。手術より体の負担が軽く、多発性椎間板ヘルニアや首の椎間板ヘルニアでも、手術と同等以上の効果が期待できます。

Step1診察

診察を行なって院内で全身検査を行います。椎間板ヘルニアの急性期で炎症マーカーが高い場合や症状が重度な場合は、入院で静脈点滴を行います。

Step2MRI検査

MRI画像を撮影します。脳脊髄液の検査を行う場合もあります。MRI画像では椎間板ヘルニアの診断のほか、圧迫の程度や多発性の有無や脊髄腫瘍との鑑別診断が行えます。

Step3再生医療または手術

再生医療が必要と判断した場合は、幹細胞の静脈点滴を行います。幹細胞療法の効果が現れるのは2〜3週間後が多いです。

手術では、胸腰部の椎間板ヘルニアでは片側椎弓切除術をおこないます。首の椎間板ヘルニアなら頸部腹側減圧術(ベントラルスロット)をおこないます。

現在は、ほとんどの椎間板ヘルニアの症例で、再生医療を行なっています。

治療症例

多発性椎間板ヘルニア

8歳のチワワで、首の多発性椎間板ヘルニアです。首から下の全身麻痺でした。1回の幹細胞の静脈点滴で、2週間後には自力で歩行できるまで回復しました。

脊髄空洞症と多発性椎間板ヘルニア

首のヘルニアは、全身に痛みや麻痺が出ます。幹細胞療法で軽快に歩けるようになりました。

小脳障害

数年間、立つことも歩くこともできない犬でした。幹細胞療法で歩行可能まで回復しました。

チャンネル登録をよろしくお願いします。

当院で行なった再生医療はコチラ

フィラリアの手術

フィラリアは、犬の心臓の中に入り込む寄生虫です。心臓の中のフィラリアよって、急激に貧血や血尿の症状が出ることがあります。

超音波検査で心臓内にいるフィラリアを確認します。白く点状に見えます。

はじめに読む・ガンの診断と治療

初期の皮膚腫瘍を発見しやすい人は、飼い主さんやトリマーです。また、定期的な獣医師による健康診断は、小さな皮膚腫瘍でも発見できる確率が高くなります。

ココがポイント
腫瘍は小さい時ほど、完治ができる可能性が高くなります。直径1cm以下で、治療を開始できることが望ましいです。

腫瘍の発見のコツ

家で発見できる腫瘍は、皮膚腫瘍と乳腺腫瘍です。毛の流れが異なる箇所や、毛を舐めて唾液で濡れている場所をチェックしましょう。

早期で見つけにくい場所は、口内とお腹の中にできる腫瘍です。口内は歯磨きの習慣があれば、家で早期に発見しやすいです。また、唾液による下顎の毛の汚れも手がかりになります。

腹腔内腫瘍を早期に見つけるには、超音波検査が必要になります。中高齢の犬猫は、獣医師による定期検査で、腹部超音波検査をしてもらうと良いでしょう。

オススメの検査セット
無症状のうちに行う3種類の検査のセットです。血液検査、胸部レントゲン、腹部超音波検査を行って、病気の早期発見をします。

顔にできる皮膚腫瘍は、早期発見しやすいです。

院内で行う腫瘍検査

体の中の腫瘍は、レントゲン検査や、超音波検査で発見します。通常の診察では、口の中や、リンパ節をチェックします。

細胞の検査

腫瘍検査には、細胞診と病理検査があります。

細胞診は、腫瘍に針を刺して少数の細胞を採取して染色し、顕微鏡で確認する検査です。

病理検査は、局所麻酔または、全身麻酔を行って、腫瘍を塊で切除して行う検査です。切除した組織を検査センターに送って検査します。検査による侵襲性が高いのですが、腫瘍の原因が正確にわかります。

検査結果は、約10日後にわかります。結果が良性腫瘍ならば抜糸で治療が終了です。悪性腫瘍の場合は、追加の治療が必要になる場合があります。

腫瘍の治療

適切な検査を行って腫瘍の種類を特定することで、最適な治療法が選択できます。腫瘍の種類や発生した場所や進行度によって、適切な治療法は異なります。例えば、リンパ腫では抗がん剤が効果的です。扁平上皮癌では外科手術が適切です。進行癌や喉の奥に発生した腫瘍の場合では、放射線が適切な治療になります。

完治が目指せるのか?治療目的を決めます。

ガンの進行度によって、治療目的が変わってきます。初期ガンなら、完治を目的とした治療を行います。進行ガンや末期ガンは、生活の質を上げることや痛みを取る目的の治療になります。

手術

手術は、体に侵襲性のある治療法です。全身麻酔を行い腫瘍を外科的に取り除く治療です。扁平上皮癌や肥満細胞腫、腹腔内の腺癌などの治療では手術が選択されます。

口腔内の悪性腫瘍で、腫瘍を切除する場合は、顎骨ごと切除することが多いです。

左下顎骨の片側全切除を行なっています。下顎骨切除は、顔の変化が目立ちません。

手足にできた悪性腫瘍は、断脚が選択肢になることがあります。犬猫は3本足でも生活に支障が出ることは、ほとんどありません。

右肘にできた肉腫のために、前足の断脚をしました。痛みから解放されて生活の質が改善します。

抗がん剤

抗がん剤が第一選択になる代表的なガンは、リンパ腫です。抗がん剤は、飲み薬や注射薬があります。複数の抗がん剤を組みあわえて投与するのが一般的です。通院できる頻度、費用、副作用、効果の予測を相談しながら、抗がん剤の投与プログラムを決定します。

手術後の抗がん剤の治療

手術後の病理検査で、ガンの悪性度が高い場合や、転移の兆候が見られる場合は、抜糸が終了したタイミングで抗がん剤を使用します。主に、アドリアマイシンやカルボプラチンを使用します。

放射線

切除不能な進行ガンや、脳腫瘍などで放射線療法を選択します。全身麻酔を行い、ガンに放射線を照射する治療法です。主に、東京大学、麻布大学、日本大学などの付属の動物病院を紹介しています。

放射線療法の副作用は、照射部位の脱毛が起きたり、被毛の色が変化することがあります。最近では、新しいメガボルテージの放射線の機械を導入している大学が増えており、放射線治療による副作用とリスクが減少しています。

その他のガン治療

細胞免疫療法があります。メラノーマなどの一部のガンに対して治療が行われます。ただし、治療効果は限定的です。

追加の治療

食事療法

リンパ腫や進行癌では、食事のエレルギー代謝が変わります。炭水化物はガンの栄養になりやすく、脂肪が体の栄養になりやすくなります。がんを患った犬猫には、旬の青魚をお勧めしています。