骨折の手術法
プレート法、創外固定法、ピンニング法があります。骨折箇所により使いやすい手術法があります。
プレート法
プレート法とは、チタンやステンレス製のプレートとスクリューを使い、折れた骨を正確に圧迫固定する手術法です。骨折端の合わせて圧着させて、骨髄腔内の血流を維持させて癒合させる治療です。
現在、小型犬が前足骨折をした場合の治療は、ほとんどが手術を選択されています。前足骨折は、プレート法で手術を行うことが多いです。最新のプレート法には、より強固に骨を固定するLCP(ロッキング・コンプレッション・プレート)手術もあります。
当院では、骨盤骨折の時にプレート法を使います。小型犬の前足骨折の治療は3Dギプスによる治療に転換しました。
ピンニング法
骨の真ん中に、ステンレスのピンを挿入する手術法です。仮骨形成が起こるため骨が太く再生します。
ピンニング法による手術は、猫の大腿骨骨折で使用しています。
創外固定法
骨折部位を橋渡しするように金属で固定します。体の外に金属が出るため管理に注意が必要です。
創外固定法は、上腕骨骨折で使用しています。
手術例
肘に近い場所の前足骨折
肘に近い場所の骨折では、徒手整復による矯正が難しいので、足型ギプスと創外固定法の手術を併用しています。創外固定は、仮骨形成が見られるタイミングで部分負荷をかけるため、徐々に固定を緩めます。
肘より上の上腕骨折
多方向からピンを入れる創外固定法の手術です。エポキシパテは金属用より軽い木工用のものを使っています。
膝近くの骨折
クロスピンによる手術を行います。2本の金属ピンを交差するように骨折部位に挿入して固定します。膝関節の可動に影響しません。
骨盤骨折
骨盤骨折は猫の交通事故で多い骨折のタイプです。骨盤骨折はプレート法により手術で固定します。仙腸関節の離断がある場合はスクリュー法で固定します。