骨折治療は次のステージへ

3Dギプスは骨折治療の技術革新です

犬の橈尺骨骨折は3Dギプス治療で治せます

お知らせ

  • 当院で診察を行う犬猫はマダニ駆除を必須とします。
  • 闘犬(ピットブル、土佐犬、ブルテリア、ドーベルマンなど)や攻撃性がある大型犬の診療はお断りしています。

犬の前足骨折に対する3Dギプス治療法

当院は2018年に「3Dギプス治療」を確立し、日本全国から来院する犬の前足骨折の治療を行ってきました。

骨折治療は「骨を金属で固定する」時代から「自己の修復力で治す」時代へと変わり始めており、3Dギプス治療法はその先駆けとなっています。

3Dギプス治療法の特徴

  1. 運動制限なし
  2. 手術なし
  3. 最短日数で太く強く治る
  4. 治癒日数が予測できる

獣医師向け3Dギプス治療法の解説

当院で開発した3Dギプス治療法は、8年間にわたる臨床経験と研究成果に基づく非観血的橈尺骨骨折治療の新しいアプローチです。本治療法の科学的検証として、これまでに以下の2つの研究成果を得ており、現在は1本の統合論文として国際誌への再投稿を準備中です(プレプリント版はPreprints.orgで公開中)。

1. 骨折治癒過程の可視化(Radiographic Visualization of Bone Healing)

小型犬の橈尺骨骨折に対し、世界で初めて治癒過程を時系列のX線画像で体系的に可視化しました。
本研究では、

  • 初期の微小仮骨形成の出現時期
  • “Super-Healing” など若齢犬特有の急速な骨再生現象
  • “Slide-Healing” に代表される力学的整復メカニズム
  • 3Dギプス固定下での荷重刺激と骨再生の相互作用(Mechanobiology)

など、これまで主観に頼っていた骨折治癒プロセスを定量的に示しました。この可視化研究により、非手術治療がどのように骨を治すのかが科学的に説明可能となり、獣医整形外科における「保存療法の再評価」の基盤となります。

2. 年齢別の治癒日数予測モデル(Age-Based Healing Time Prediction)

191肢(179症例)という世界最大規模の橈尺骨骨折データを用い、Rを用いた統計解析を実施しました。これにより、

  • 年齢が治癒速度に与える影響の定量化
  • 若齢群が有意に早期治癒することの統計学的証明
  • 治癒日数を年齢から予測可能にするモデルの構築

が実現しました。従来は経験則に依存していた「この犬の骨折は何日後に治るか」という臨床判断が、初めてデータに基づいた予測として提示できるようになりました。

3Dギプス治療法の意義

これらの研究成果により、3Dギプス治療法は

  • 手術を回避できる「低侵襲・高治癒率」の選択肢
  • 骨折治癒の力学と生物学(Mechanobiology)を統合する新しい治療モデル
  • 従来のプレート固定とは異なる治癒メカニズムの提示
  • Evidence-Based な保存療法として世界的に希少なデータ基盤

を備えた治療法として位置づけられます。 

Clinical Study on the 3D Cast Fracture Treatment Method

(Manuscript in Preparation for Submission to an International Journal)

Since 2018, Ishijima Animal Hospital has developed and clinically applied a patient-specific 3D cast therapy for distal radial–ulnar fractures in toy-breed dogs. The method emphasizes non-surgical management that maximizes the body’s natural healing ability while maintaining limb function.

The findings from this work—originally presented as two separate studies—include:

  • Radiographic visualization of the fracture healing process, documented through systematic time-sequence imaging
  • The world’s largest clinical dataset on healing time for canine distal radial–ulnar fractures, analyzed using survival statistics (Kaplan–Meier and Cox regression)

These two studies are currently being integrated into a single comprehensive manuscript for resubmission to an international peer-reviewed journal. Preprint versions of the original manuscripts remain publicly available.

The 3D cast method is openly available for use and adaptation by veterinarians worldwide, provided appropriate citation is included (e.g., “Ishijima, 2025, Preprints.org”).


手術後のトラブル

手術回数や時間の経過に比例して骨は弱くなりますので早期に相談してください。

手術後の癒合遅延の原因はインプラントによる応力遮蔽と骨髄の血流阻害です。プレート固定による応力遮蔽では、手術後に年月が経ってからプレート下の橈尺骨の骨密度の低下や消失が顕在化します。インプラントによる骨髄血流の遮断では海綿骨が消失して皮質骨だけの骨になり、犬がジャンプしただけでも容易に再骨折します。二次診療施設で行なった手術でも例外はありません。


当院をご紹介いただく先生、動物病院さまへ

骨折直後の処置で治癒期間に影響がありますので、できるだけ早い日数での来院を指示してください。また、当院でもレントゲンの撮影を行います。

来院の流れ

連絡先

診察時間内なら電話連絡の方がスムーズです。時間外はメールでお願いします。

電話 04-7146-1047

メール ishijima2013@gmail.com

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アクセス

千葉県柏市豊四季130-22

    >いしじま動物病院3Dギプス骨折治療センター

    いしじま動物病院3Dギプス骨折治療センター

    院長、獣医師 石嶋茂夫
    千葉県柏市豊四季130-22

    保管業
    登録番号,第12ー2ー26号、登録,平成24年12月12日、有効期限,令和9年12月11日、 動物取扱責任者,石嶋茂夫