ここまでできる局所麻酔での腫瘍切除

全身麻酔のリスクを回避した手術です。局所麻酔を注射することで、腫瘍の周囲の痛みの感覚を麻痺させます。
足先にできた腫瘍の切除は、局所麻酔では不可能とされていますが、電気メスやリガシュアを使用することで、10cmくらいの大きな皮膚腫瘍でも切除ができるようになりました。
局所麻酔の手術は、日帰りで行えます。

全身麻酔のリスクを回避した手術ができます。

腫瘍を発見した場合は、院内でできる細胞診(腫瘍に針を入れて細胞を採取して顕微鏡で観察)を行います。明らかな良性腫瘍なら経過を観察しても良いのですが、動物が引っ掻いたり出血している場合は、局所麻酔での切除が治療の選択肢になります。局所麻酔で切除できるかは、犬の性格と発生場所が重要です。鶏卵大くらいまでなら局所麻酔で切除が可能です。腫瘍の手術では、完治目的と緩和目的に分類します。腫瘍からの出血や生活の質の低下などがあるにもかかわらず、全身麻酔のリスクのために手術を行なっていない高齢犬では、局所麻酔での切除の治療の選択肢を提示しています。

局所麻酔で腫瘍の切除ができる基準

  1. 動物の性格がおとなしい。
  2. 腫瘍と正常な皮膚の境界がはっきりしている。
  3. 良性腫瘍

局所麻酔の治療例

皮膚組織球腫

皮膚の良性腫瘍で、細胞診で診断できます。通常は1ヶ月程度で自然退縮しますが、増大傾向が見られた場合は、切除手術を行います。直径1cm程度の皮膚組織球腫であれば、局所麻酔で切除可能です。

毛芽腫(基底細胞腫)

耳の内側に、くるみ大の腫瘍がありました。おとなしい性格なので局所麻酔で切除が可能と判断しました。

アクロコルドン(skintag)

乳頭状の病変で非腫瘍性の皮膚の増殖性変化です。通常は小さいままですが、この症例は鶏卵くらいの大きさになりました。キノコのように、皮膚の付着部が小さいので、手術用の電気メスとリガシュアで局所麻酔による切除が可能です。

 

悪性腫瘍のセルトリ細胞腫

急速に増大してきた睾丸腫瘍です。通常は全身麻酔をして摘出手術を行います。超高齢の小型犬で、おとなしく従順な性格です。基礎疾患は重度の心不全です。局所麻酔と少量のイソフルレンの麻酔で、睾丸腫瘍の摘出が可能でした。

悪性腫瘍では、全身麻酔で拡大切除を行なうことが、通常の手術法とされていまが、超高齢で全身麻酔のリスクが大きい場合は、緩和手術として、出血のコントロールを目的として、局所麻酔手術も行なっています。

最近は、超高齢の犬を多く診察するようになりました。大きな腫瘍でも、ベッセルシーリングシステムや電気メスを使って、局所麻酔で腫瘍を切除することが出来ます。底部固着の無い腫瘍は、拳くらいの大きさでも局所麻酔で切除できることがあります。高齢だから手術は出来ないと諦めていた場合は、当院の獣医師の相談してください。

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