犬の甲状腺腫瘍

甲状腺の場所はノドボトケの横にあります。中年のビーグル、ゴールデン、コーギーが要注意の犬種です。犬の甲状腺腫瘍の9割は悪性で、固着や大きさで平均生存期間が変わります。体積が20㎤以下なら転移率が14%、100㎤を越えたら転移率は100%。甲状腺癌の転移率の境目を20㎤と100㎤にしてます。特に20㎤を堺にして急激に転移率が上がります。

ゴールデンレトリバーの甲状腺癌の摘出手術の例

腫瘍の大きさは親指の頭くらいで、底部固着は無く、超音波で腫瘍内部を見ると血管が多い腫瘍でした。腫瘍を電メスとリガシュアを使って摘出しました。大きさは20㎤以下でした。甲状腺腫瘍の手術は、摘出時に出血が多い腫瘍ですが、固着が無ければ愛護的に剥離して、こまめに止血すれば難しくありません。

腫瘍の体積が21㎤だった甲状腺癌の病理検査のコメントは、以下のコメントでした。

  • 濾胞上皮細胞が増殖し広い範囲で強い出血壊死を起こしている。
  • 被膜内に腫瘍組織が浸潤するが、被膜を越えて浸潤はしていない。
  • 一部の血管内に腫瘍増殖巣が突出している。
  • 偽被膜浸潤と血管侵襲像が認められた。

病理結果を読むと、被膜と血管に癌の浸潤が始まる所だったのが分かります。

腫瘍がクルミくらいの大きさになると転移率は急激に上昇します。母指頭大くらいで発見して手術が出来れば、甲状腺癌でも転移の確率が低く抑えられます。手術後は、甲状腺ホルモンを定期的に測定します。

甲状腺腫瘍を小さいうちに発見するのは、家庭では難しいと思います。かかりつけの獣医師に見つけてもらえるように、定期的に健康診断を受けましょう。

浸潤性甲状腺癌の手術(2例)

甲状腺癌が進行すると、周囲の組織に浸潤していきます。特に気管内に浸潤すると、呼吸障害を起こし、空気がうまく吸えなくなります。生活の質が急激に下がり、苦しくて寝られなくなります。

腫瘍の切除が不可能な甲状腺癌は、胸部入り口の気管を切開して永久気管の手術をします。緩和的な手術ですが、呼吸困難が改善されて、穏やかな顔つきに戻りました。

浸潤性甲状腺癌で、永久気管の手術をしたビーグルです。食事は介助なしで食べます。

猫の甲状腺腫瘍の手術の例

甲状腺機能亢進症になっていることが多いです。内科的なコントロールができない場合は、摘出手術を行います。

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